目次
1. アメリカの消費者物価指数(CPI)とは?
消費者物価指数(CPI:Consumer Price Index)は、米国のインフレ率を測る主要な経済指標です。
日用品やサービスなどの価格変動を追跡し、「物価がどれくらい上昇しているか」を示します。
米労働省労働統計局(BLS)が毎月発表し、特に米ドルと金利の見通しに直結するため、ゴールド市場でも非常に重要視されます。
2. CPIとゴールド価格の関係
ゴールドは利息を生まない資産ですが、「価値保存の手段」としてインフレ時に買われやすくなります。
しかし、CPIとゴールドの関係は単純ではなく、FRB(米連邦準備制度)の金融政策を介して価格が動くのが特徴です。
- CPIが市場予想を上回る(インフレ加速)
→ FRBが利上げを検討 → 米ドル高・金利上昇 → ゴールドは売られやすい - CPIが市場予想を下回る(インフレ鈍化)
→ FRBが利上げ見送りや利下げを検討 → 米ドル安・金利低下 → ゴールドは買われやすい
つまり、CPIの結果は「インフレ警戒による金買い」ではなく、「金利・ドルの動き経由で金価格が変動」するケースが多いのです。
3. XAU/USDトレーダーが見るべきポイント
- コアCPI(食品・エネルギーを除いた指数)
FRBが注目するのはコアCPI。こちらが予想を大きく外すと相場の反応も大きいです。 - 市場予想との乖離幅
予想との差が0.2%以上あると、XAU/USDが1〜2%動くこともあります。 - ドルインデックス(DXY)の動き
CPI発表直後はドルインデックスが急変し、それに逆相関する形でゴールドが動きます。
4. 発表時の値動きの特徴と戦略
- 初動はドルに反応
発表直後は金利・ドル買い/売りの方向に一気に動き、その後に利食いや逆張りで反転することも多いです。 - 高ボラティリティ相場
スプレッド拡大や急変動が頻発するため、短期トレードはリスク管理が必須。 - シナリオ別戦略例
- CPI高→ドル高→XAU/USD下落 → 戻り売り狙い
- CPI低→ドル安→XAU/USD上昇 → 押し目買い狙い
5. 実践的アドバイス
- 発表前にポジション軽くする
想定外の数字で一瞬にして含み損になるリスクを避けるため。 - 1分足より5分足・15分足で全体を確認
初動に飛び乗るより、短期トレンドが定まった後の二次波を狙う方が安定しやすいです。 - 過去3〜6か月のCPIとXAU/USDの反応パターンを検証
毎回の反応は違いますが、方向性やボラティリティの傾向は参考になります。
まとめ
アメリカのCPIは、ゴールドの価格に直接ではなく米ドルと金利を通じて間接的に大きな影響を与える指標です。
XAU/USDトレーダーにとっては、結果の数字そのものよりも「市場予想との差」と「FRBの金融政策見通し」が重要です。
発表前後は値動きが荒くなるため、シナリオを事前に立て、冷静にトレードすることが勝率アップのカギとなります。